あれ

あれ
I
あれ
(感)
〔代名詞「あれ」と同源〕
驚いたり, 不審に思ったりした時に発する語。 あら。 あれっ。

「~, ここに置いた本はどこだ」「~, 変だなあ」

II
あれ【吾・我】
一人称。 私。 われ。

「枕(マ)かむとは~はすれどさ寝むとは~は思へど/古事記(中)」

〔中古以降は, この語の代わりに「われ」が用いられるようになる〕
~かにもあらず
自他の区別がつかない。 我を忘れて茫然(ボウゼン)とするさま。

「立ち出づるほどの心地~ず, 現ともおぼえで/更級」

~にもあらず
「あれかにもあらず」に同じ。

「ただ急がしに出だしつれば, ~ぬここちすれど/枕草子 184」

III
あれ【彼】
(1)遠称の指示代名詞。 (ア)事物や人を指し示す。

「~はだれだろう」「~が駅へ行く道です」(イ)時や事柄を指し示す。 「~からずっと立ち通しだ」「~は三年前のことだ」「~くらい何でもない」(ウ)場所を指し示す。 「~に見え候, 粟津の松原と申す/平家 9」

(2)三人称。 同等以下の人を親しみをこめて指し示す。

「~には苦労ばかりかけた」「~は達者で暮らしているかな」

(3)〔中世語〕
中称の指示代名詞。 事物や人・場所を指し示す。 それ。 その人。 そこ。

「誰そ, ~きけ/平家 3」

IV
あれ【荒れ】
(1)あれること。 特に天候などがあれること。 あらし。 多く, 他の語と複合して用いられる。

「~模様」「この~にまあ, 何処へお出ででございましたね/魔風恋風(天外)」

(2)皮膚のきめがあらくなること。

「肌の~」

V
あれ【阿礼】
〔動詞「ある(生)」の名詞形か〕
神霊の出現の縁となる物。 榊(サカキ)の木など。 綾絹(アヤギヌ)や鈴などを飾りつけて使う。 賀茂社や松尾社のものが知られている。

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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